
数十頭の鹿たちの視線を一斉に浴びて、意気揚々と若草山山頂に到着したひとりと二匹のワンコ。
奥山ドライブウェイ途中の駐車場から奈良盆地が一望できる山頂まで、僅か5分程度で行けるにも関わらず、その間に出会った鹿は30頭を越える。
鹿たちはとても大切に保護されていて人間を怖がらない。
体にくっつくくらいの間隔で悠々と歩いていく。
そう、ここでの人間と鹿は、緊張感のなくなりかけた人間関係に似ている。
でもシャオメイとチャングムに対しての様子は違った。
だって二匹が駐車場に降り立った途端、鹿たちの様子が一変した!
見渡す限りの鹿たちが一瞬にして、耳をピンピンに立て、
置物のように固まって、シャオメイとチャングムを凝視したのだ。
その数は50頭を超える。。。
緊迫した空気が漂う。。。
鹿たちの体は固まったままだが、視線はシャオメイたちの動きを捕らえて離さない。
思わず身構える私。
今、世界で動いているのは先生とシャオメイとチャングム、そして鹿たちの眼球だけだと思えた。。。
恐ろしく緊張しながら
「シャオメイとチャングムは車でお留守番にしませんか。。。」
と、言おうとした私は、、、すでに置いてけぼりにされている!
、、、なんでーー!!(私の心の叫び)
だが、そんな周りの緊張感をよそに、一人と二匹のワンコはいつも通りのお散歩モードで
悠々と山頂に到着してしまった。
、、、なんでえぇぇーーー!!(私の心の叫び)
すると!
「カチッ」
鹿たちに同時にスイッチが入った。
置物のように固まっていた鹿たちが一斉に揺れたのだ!(ように見えた。。。)
皆、何もなかったかのように、悠々と草を食み出した。
どうやら鹿たちは洞察してしまったらしい。
だってここにいる一人と二匹は世間の目(ここでは鹿の存在)などまったく気にしないのだ。
ただただ一番高いところまで登りたかっただけ。
安全スイッチが押された鹿たちのうち何頭かは、
シャオメイたちのすぐ傍まで行って、お尻まで向けて草を食み出した。
(それは警戒心無さ過ぎでしょう。。。)
「我が道を行く」
「我が道を生き続ける」
程先生とシャオメイとチャングムになんだか脱帽、、、